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しばらくは身じろぎも出来ずに、じっと抱き合っていた。
ふと見上げると、意志の強そうな瑛太の男らしい顔がある。なんだか恥ずかしくなって離れようとしたら、ギュウッとさらに強く抱きしめる力が増した。
「離れんな…」
私を優しく見つめる瑛太。
なんだか、まだ頭がぼんやりしている。
キスしちゃった……。
あー、もう思い残すことは無い。
無い? 無いのか?本当に?待て待て、アメリカだ!
「瑛太、アメリカ!じゃなくって、彼女いる?」
「お前は俺をバカにしてんのか?
俺の彼女は、みのりに決まってんだろ?」
「いや。 じゃなくてね。
豆腐屋のおばちゃんが、瑛太が青い眼の彼女をアメリカに置いてきたって、言ってたからさ、
ずっと気になってた。」
「あ"〜、彼女って、それか?早く言えよ。
いっぱい置いて来たぜ、けど俺のじゃねーよ。
たくさんの女性を残して来たなんて、冗談に決まってるだろ?
おばちゃん相手だしなぁ。
おばちゃんって喜ぶだろ、そういうの。
実際の俺は、アメリカで女とつき合ってもない!」
とヘラヘラ笑ってるんだけど、ほんとに?ほんと?
瑛太がそう言うのだから、そうなんだろう。
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