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家に帰った私は、母とちらし寿司を食べた。
食べながらいろんな話しをしたはずなのに、曖昧な返事をしてばかりで、内容はほとんど覚えていない。
「なんなの?疲れてるなら早く、お風呂入って寝なさい!」
母に言われた私は、お風呂で湯船に浸かりながら、再び瑛太のことを考えていた。
アメリカに発つ前の瑛太を思い出していた。
今より少し、線が細い感じだった気がする。
私の気持ちも知らないで、
「みのり、元気でな!ウチの家族頼んだぞ!」
そう言い残し、爽やかな笑顔を残して旅立って行ったんだ。
再会した瑛太は、数段男らしさに磨きがかかっていた。
高身長に浅黒い肌、少しだけウエーブがある長めの黒髪、奥二重のキリリとした目は涼しげで、スッと通った鼻筋の鼻は高く美しい。ほんの少しだけ厚めの唇がセクシー。
バスケで鍛えた体は、服の上からでもわかるぐらい筋肉質だ。
そして、高学歴でアメリカ帰りなんて…、世の中の女子が放っておかないよ。
子どもの頃、瑛太の隣にはいつも私がいたのにね。まっ、それも中学までだったけどね。
瑛太、男子校だったし、高2で瑛太に彼女出来たんだった。
当然、告白なんてできなくて、結局、半ばヤケになり他の人とつき合ってみたりした。
そんなだから長続きするわけもなくて、短いおつき合いの繰り返し、相手にも悪かったよね。
その恋愛相談を瑛太にしたりして、今更告白なんか出来ないよ。
今の距離でいい。
振られたら立ち直れないだろうから。
私って、ほんとヘタレ。
あー、アホだな私。
豆腐屋のおばちゃん言ってたよね、青い眼の彼女がアメリカにいるって。
いつか迎えに行くのかな?
彼女が来るのかな?
きっと凄い美人なんだろうなぁ。
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