甘い時間

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 今朝も瑛太と一緒に通勤する。 昨夜は、夜になって瑛太は帰って行った。 近所のおばあちゃんに見つからないように、気をつけて帰ったのかな? 今朝はちょっぴり照れくさい。 そして、親密さが増した気がして、嬉しかったりもする。 瑛太はいつも通り、全く普通だと思う。  車に乗って、いつも通り会社の手前で降ろしてもらおうと思ったのに。 いつもの場所を素通りして、会社前まで行ってしまった。 「何でここ?」 「あー、みのりは俺のだからな。 ちゃんと安全なとこまで送らなきゃ、だ。」 「へっ!?」 「まっ、この中が安全かどうだか怪しいが。」 そう言って、瑛太が会社を指差している。 「どうしたの?」 「いいか、みのり!あの課長には、気をつけろ。じゃないと、心配でおちおち仕事もしてられないからな。」 意味不明だよ。 いつからキャラ変したの? 「それから悪いんだけど…、しばらく帰りが遅くなるんだ。 朝は、ちゃんと一緒だから大丈夫だけど、気をつけろよ、くれぐれも。」 「はいはい、大丈夫だから!心配ないよ。 瑛太も、お仕事頑張ってね。ありがとう〜」 瑛太に手を振り、満面の笑みで見送った。 ヤキモチ妬いてるんだよねー? ふふふっ、そういうのも新鮮だな、嬉しいかも〜。 だって私たち、おつき合いしてますから!
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