亀裂

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 会社に出勤すると、すぐに私は美咲となるちゃんに捕まった。 「みのり、大丈夫なの?」 「みのりさん?」 「心配かけてゴメンね。 昨日、瑛太と、ちょっとね。」 「で?」 「瑛太、嘘ついてるんだよ。一昨日帰ったのに私が知らないと思って、昨日帰ったって言うの。 瑛太が隠しごとしてるって、私が言ったのに否定も肯定もしないし。 説明もしてくれないなんて、ひどいよ。 信頼できない人とは、やっていけないって言ったの。だけど、絶対に別れないとか言ってる。 何か隠しごとしてるのは、間違いないのよ! だから、今は顔も見たくない。」 二人は深妙な顔をして、私の話を聞いていた。 「みのりさん、つらかったですね。 しばらくは、距離を置くってことですか?」 「慌てなくても良いよ。 瑛太くんだって、みのりと別れたくないなら、 きっと話してくれるはずだよ。 だから、ちょっと落ち着こう。」 また、泣きそうになったけど、もうこれ以上はボロボロになりたくないので、ぐっと我慢した。
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