お久しぶり

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お久しぶり

商店街を後にして実家前に到着。 我が家を見上げる、 私が生まれるずっと前に建てられた古い家。 そして、隣家に目をやると、 隣家も同じぐらいの築年数、だけどウチとは対照的の和風の家。 なんだか古家に不似合いなぐらいピッカピカの大きなSUVていうんですか? 外車が停まっているんだけど。 高いんだろーな、きっと瑛太だよね? まさか、おじさんは乗らないよなぁ。 そんなことを思いながら、 とにかく数ヶ月ぶりの我が家へ。 「ただいまー、 お久しぶりでございます!お母さま。」とふざけて言う。 母は眉を吊り上げながら、 「何が、お母さまよ! この音信不通の親不孝娘がー。」 「いやいや、便りの無いのは良い便りって言うでしょ?」 にへっ!と笑う私に母は、 「へーっ、じゃあ良い便りあるんだ? 彼氏できたの?」 私は分かってるくせに!とムッとしながら、 「私は元気です!という意味で。」と言い返す。 「あぁ、子どもの頃から元気だけが取り柄だもんねー、風邪ひとつひかない子だったわねぇ」と笑う母。 なんだかんだ言っても私達、本当は仲の良い親子です。
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