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甘い時間
ピザもチキンも、ほぼ完食。
もう晩ご飯は食べられないぐらい、お腹はいっぱいになった。
「まだ時間早いし、なんかDVDでも観る?
お父さんが結構いいの持ってるよ。
お母さんの好きな古い映画とかもあるんだよ、
『ローマの休日』とか、『ティファニーで朝食を』とかねー。
私はジブリとかが好きなんだけど…。
これは?お父さんが好きな『アポロ13』、古いけど知ってるかな?」
瑛太にDVDを見せようと振り向いた瞬間に、
「もう限界だな。」
瑛太が私を抱きしめてきた。
Oh! おあずけ解除?
瑛太にぎゅーって、しがみついた。
私は瑛太の肩先に額をくっつけて、さらに近づく。瑛太からボディシャンプーの爽やかな、良い香りがしている。
瑛太が私を、さらに強く抱きしめ直した。
やっと動き出したふたりの時間は、もう誰にも止められない…
瑛太は素早く私にキスをした。
そして、逞しい腕で抱き上げると、私を部屋まで軽々と運んだ。
そっと私をベッドに下ろしたときは、心臓が口から出るかと思うぐらい、私の胸は高鳴っていた。
そして、瑛太が私に覆い被さりキスを落とした。
ねぇ、どうしてなんだろう?
まるで雲の上に乗っかっているみたい。
あなたのキスは、どうしてこんなに優しくて心地良いのだろう?
やがてキスは深まり、次々に場所を変えて行く。首筋から喉元へ、彼の熱い唇が私を翻弄していく。
あなたの指先が私の全ての感覚を、次々に呼び覚まし、そして私を暴いて行くのだった。
熱い吐息を漏らしながら考えるのは、
ただ、あなたのことだけ…。
体中であなたを感じて、背中を弓なりに反らしながら、私は高い声をあげ続けた。
ふたりして激しい波に呑まれる寸前に、あなたの名前を呼んだ。
「瑛太、好き、瑛太が好き…。」
瑛太が、荒い息を吐きながら
「みのり、俺も好きだよ」
と言う声が聞こえた…。
微かに微笑んだその後、私は夢の中へ。
あなたの腕に包まれて、柔らかな夢を見るように…幸せな眠りについた。
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