5480人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
疑惑
今日で、やっと2週間。長かったです。
会社帰りに、私は歩道を歩きながら考えていた。明日は、やっと瑛太に会えるんだ〜、嬉しい!
会ったら正直に言おう、寂しかったって。
そして、意地を張ってそっけない態度をとったことを謝ろう。
それからふたりで、あのイタリアンの店に行こうかな?そう思いながら、何気なくあの店の前を通り過ぎる瞬間。
私は店の中にいる二人に、くぎづけになった。
えっ、瑛太がいる!
なんで?
まだ帰ってないんじゃなかったの?
瑛太の向かい側には美しい女性がいて、瑛太も彼女も互いに微笑み合っている。
急に激しい動悸がして、私はギュッと胸を押さえた。
いや、仕事かもしれない…。
だとしても…、
帰国が早まったのに、連絡をくれないのは何故?
彼女は、いったい誰なんだろう?
いくつもの疑問が、頭の中を駆け巡った。
目眩がしそうになりながら、足早にその場を後にした。
あれから、二人の姿が頭にこびりついて離れない。
その後、美咲に電話をして先程見た光景の話しをしたら、美咲は本人に確認しなきゃダメだって言った。
そうだね、私もこの前はそう言ったな。
だけど、美咲と違って私はハッキリと嘘つかれてるよ。
だって、帰るの明日のはずだもん。
とにかく、成美ちゃんに電話しよ。
最初のコメントを投稿しよう!