0人が本棚に入れています
本棚に追加
天使の行進
よく晴れた日の昼間、いつものように孤児院で入り用のものを商店街に買いに出かけた。
その道中、大通りに人垣ができているのが目に入った。こんなに人が集まるなんて何があるのだろうと、人ごみを掻き分けて前の方を覗き込むと、突然ざわめいていた周りの人々が静かになった。
黙って人々が視線を送る方を見ると、黒服の男を数人連れた修道士様が、大きな荷物を持って歩いてきた。真っ白な服を着た修道士様は天使のようにきれいで、通り過ぎるまで目を離せなかった。
彼らの姿が見えなくなった後、誰かが言った。
あの修道士様は魔女を焼きにいくのだ。
それを聞いて悪寒がして、足早にそこを去る。
僕もいつか焼かれるのではないかと、不安になった。
最初のコメントを投稿しよう!