タナトス2~寝物語~

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 じゃあさ、と今日は熱い両の頬を手のひらで押さえて冷やしながら、もごもごとまるで少年のように恥ずかしげに言った。 「抱いてもいい? 殺しの後じゃねえけど」 「ふふ。優しくしてよね」  二人は抱き合った。  死の匂いのないところで、初めて抱き合った。  情事の後、渚が恭平を風呂へ向かわせることはなかった。  ただ、優しい言葉を囁きあい、甘い余韻にたっぷりと浸った。
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