プロローグ

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プロローグ

昔、神様に仕えていた天使は神様のある命令に背いたことで天から落とされた。天使が堕ちたことから堕ちた天使たちのことは堕天使(だてんし)という。堕天使たちは心の怒りから白く美しかった羽は抜け落ち、黒く染まり、神に対する憎しみや怨みから牙な角が生えたという。いつしか彼らは人々を惑わすようになった。そして人々は彼らのことをこう呼んだ。 ーーーーーーーー悪魔、と 大嵐がきたその日。 薄暗い部屋の真ん中にある大きなキングサイズのベッドの上で1人の女は弱々しく横たわっていた。その側で男が女の手を両手で包み込む。 「私の最後の願い、聞いてくれる...?」 女は男に願いを言う。そして男はそれを約束した。 今から約17年ほど前のことだった。 ベッドの傍(かたわ)らで白と黒のオーラを身にまとった小さな赤ん坊がすやすやと寝息をたてていた。 「お願い、ね。」 一筋の涙が女の頬を濡らすのと同時に外で大きな雷が鳴った。そしてまた、白く細い腕が力なく落ちていった。
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