97人が本棚に入れています
本棚に追加
結局、大翔のご両親に東京に来て頂き、母と一緒の食事会で会うことが出来た。大翔がご両親と相談してくれて、彼等は東京見物を兼ねて食事会に参加することになったからだ。
私はとても申し訳なく感じていて、大翔との結婚に向けて、飛行機恐怖症を克服すると決心していた。
食事会でお会いした大翔のご両親はとても尊敬できる方で、このご両親のお陰で大翔が素晴らし男性に育ったんだと感じることが出来た。大翔のお父さまは沖縄県庁の要職を勤めており、お母さまは小学校の先生をされており、お二人は未だ現役でバリバリ働いていらっしゃる。
母は最後まで自分が片親だということを心配していたが、大翔のお母様が言った言葉で、その心配は吹っ飛んだ。
「私は片親でも立派に育った子供達をたくさん知っています。片親であることは澪さんがどんな女性なのかとは全く関係ありません。でも片親での子育ては並大抵の苦労でなかったと思います。それなのに澪さんを“こんな”素晴らしい女性に育て上げた高橋さんを尊敬しますし、そして澪さんの様な女性を選んだ息子を誇りに思います」
その食事会の場で母は再び大粒の涙を浮かべていた。
そして私もこんな両親に育てて貰った大翔と結婚出来ることを本当に誇りに思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!