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私達は小林さんに連れられて貸し衣装が飾られている部屋に入った。
再び、彼女がタブレットでドレスの種類を説明してくれる。
「ウェディングドレスには大きく分けて『Aライン』『プリンセスライン』『スレンダーライン』『エンパイアライン』『マーメードライン』『ベルライン』があります」
彼女はそう言いながら一つ一つのイメージ写真をタブレット上で見せてくれる。
「えっ? こんなに種類あるの?」
大翔が驚いた様に声を上げた。
私は勿論、予習をしていたからドレスの種類は知っていた。そしてシンプルなAラインを選びたいと思っていた。
「私はAラインがいいなって思っていたのですが……」
その言葉に小林さんが笑顔を見せた。
「私も澪さんにはAラインが似合うかなっと思っていました」
そう言われて私はとても嬉しかった。
「Aライン? 小林さん、僕はちょっと分からないので、特徴を少し説明頂けますか?」
大翔の問いかけに小林さんが大きく頷く。
「Aラインはアルファベットの「A」のかたちに見えることが名前の由来です。シンプルで上品な印象ですね。ウエストラインが高い位置にあって、ウエストから裾へ直線的にスカートが広がります。縦のラインが強調されるので背を高く見せる効果が有りますし、長身の澪さんだったら、更に引き立つと思います」
大翔がタブレットの写真を見ながら私の全身と見比べている。
「うん、僕もそれが良いと思います」
小林さんは大きく頷いている。
「それでは、Aラインの衣装を見ますか。数十種類の在庫があります」
私は大きく頷いた。
「はい、お願いします」
「それではこちらに」
小林さんは私達を連れて隣の部屋のドアを開けた。そこは数百のウェディングドレスがハンガーに吊られている部屋だった。
「ここがAラインのドレスですね。色は白で良いですか?」
私が頷くと小林さんは白のAラインの在庫を見せてくれた。
「試着されますか?」
私と大翔は顔を見合わせて大きく頷き声を合わせた。
「はい、お願いします!」
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