朝の忍者

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あれから考えた結果、ユウジが忍者を見るなら自分たちが先に駅にいればいいんじゃないか、ということになった。忍者さんの顔は僕が知っているのであとは彼女が来たらユウジに「あの人がそうだよ」と教えればいいだけ。 次の日、僕とユウジは二人とも1本早い電車に乗って学校の最寄り駅のエスカレーターから改札口までの通路で待ち合わせた。 ユウジの方が早く着いていたようで、『そろそろ定期券更新しませんか?』のポスターが貼られた広告の横に立っていた。 「おはようユウジ」 「おう。おはよう」 「あと10分くらいでいつも僕が乗るやつが来るから、忍者さんもそれに乗って来ると思う」 「そっか。楽しみだな」 そして、10分後、僕が普段乗っている電車が来た。 「お、それじゃ、頼んだぞ」 ユウジが目配せをする。 人がたくさん改札を通って行く。僕らも毎日この中の1人なのだと分かっていても、どこか他人事のように思えてしまう。 「やっぱ朝はラッシュだな。で、忍者来たか?」 「えーと……ごめん。今日は来てないかも」 「マジかよ。ま、来てないんならしゃーないな。学校行こうぜ」 僕らは学校へ向かった。
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