メロン&アーティスト(高校三年生、夏)

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メロン&アーティスト(高校三年生、夏)

点加は三年生になると、成績順で一番下から二番目のクラスになった。それは国子とのぞのぞ、そしてギャル集団と一緒のクラスであった。  かつて点加に期待をかけてくれていた英語の先生の点加をみる目つきは、今ではすっかり変わってしまっていた。正確には、もう見てさえもいなかった。ただ目に入る景色の一部として、認めているだけだった。  だが実際、点加は前より気楽に過ごしていた。目に入れたくないものー成績トップのクラスに所属する、光や青山さんや勝絵などーの教室とは、思い切り距離がひっぺがされてあったので、その点では以前よりもずいぶん気楽に過ごすことができた。その距離にはしかし、大事な頭脳を持つ生徒たちと、救いようのない成績の生徒たちとは、なるべく関わりを持たせたくないという学校側の思惑が、透けて見えないでもなかった。  点加はそういったすべてを嘲笑うように、勉強をせずに、ひたすら下ネタを言った。何を聞かれても下ネタで答えた。頭は常に、冴えた下ネタを探していた。
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