だから君はもう僕のもの

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「すごくおいしそうだ」  ぺろりと乳首を舐められる。とろりと肌を滑っていくハチミツを舌で追って、舌はへそまでたどり着く。その感触にぞわぞわと全身がざわめいた。 はっきりした快感ではなく、でも確かに下半身に響いてくる感覚だった。 「なんか、嫌だ」 「そう? つやつやになって舐めてほしそうだよ?」  彼はいたってのんびりとリラックスした様子だ。こんなゆるやかなセックスは初めてで、どう反応したらいいかわからない。  俺がしていたセックスはいつももっと性急で、とにかく興奮するままに入れて揺さぶって出すものだった。でも彼はまったくそんな気配がなく、触れあって会話するのを楽しんでいる。 「洸は日本でもモテた?」 「女子にはそれなりに。男は全然なかったよ」 「へえ。意外だね」 「日本ではゲイだってオープンにしてなかったし」 「そうなんだ。日本の男は見る目がないね。こんなにかわいいのに」  そんなことを囁かれて、どうにもくすぐったくてしょうがない。困って目をそらすと手首を拘束されたままゆるく押し倒された。  上からのしかかられてドキッとした。いつもと逆の態勢で、それだけのことなのに心臓が速くなる。 「ほら、もうこんなになってる」  手が足の間に入って来て、するりとそこを確かめた。  さっきからもどかしい愛撫を受けて、しっかり勃ちあがっている。大きな手で包んで擦られて興奮が一気に増した。ぐっと硬く熱くなる。  入れたい、と思う。それしか知らないから、当然、これを収める先を俺の体は期待している。 「なあ、俺が抱くのは?」 「無理」  ダメ元で訊いてみたが一言で却下された。 「悪くないと思うけど」 「そうかもね。でもダメ」  唇をなぞった指がすっと下に降りて、胸の先でつんと小さな乳首を弾いた。きゅっと摘ままれて捏ねられて、じわじわとした性感が生まれる。
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