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それから…清と共に身体を洗い
湯に浸かった。
今日の湯には芍薬の花びらが浮かんでいて
とても良い香りに気持ちがスッと軽くなるのを感じる。
清が俺の身体を優しく背後から
抱き寄せながら
『政…生月はいつだ?』
『…母に聞いた話では葉月にございます』
『葉月…?時期に来るではないかっ』
清が驚いて声を上げる
『何故早く言わない…』
…生月が何故そんなに重大なのか
俺にはわからなかった。
『急いで湯から上がろう。支度をするぞ』
『はい』
俺たちは湯から急いで上がり
清と共に支度をする…
この日は清が、自身の朱色の着物を着せてくれた。清は紫…とても似合っていて、化粧をしていないから…自然体で。
すごく胸がドキッと脈打った。
藍色に染めている下駄も貸してくれて
…俺はこの街に来て
初めて出掛けた。
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