昼想夜夢(仟之助)

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呼吸が乱れる蜜をそっと抱き締め、背を撫でる。可愛いくてつい泣かせてしまう。髪の毛に指を絡ませていると、蜜が急に起き上がった。濡れた瞳で俺を見つめて…ゆっくり俺の首や首筋に口付けながら衣服に手を掛けられる。 『…私にも触れてくれるのか』 蜜が俺を受け入れてくれたのが嬉しかった。 口付けだけなのに自分の呼吸が乱れ熱くなるのがわかる。 『…っ、蜜…上手だ』 慕い人から触れられるのはどうしてこんなに気持ちが良いのだろう。蜜の髪の毛先に指を絡ませながら、その快感を味わった。 『良い…蜜。凄く良い』 その内に蜜の唇が俺の下半身を撫で… 俺の直下勃ったモノへと近付いていく。 『蜜…っ、』 正直そこまで蜜がしてくれると思っていなかったから、上擦ったような声が漏れた。今まで何度か女にしてもらった経験があるが。その何倍もの快感を呼び…目が眩みそうだった。 『ん…っ』 蜜の唇の動きが速まり…我慢が限界に近付く。 『蜜、も…口を離せ』 震える声を堪えながら云うが。蜜は上目遣いで俺を見つめ…更に深く口付けてきた。 …っ 溜まらない。 俺は達する直前で蜜の顔を剥がし、自身の手の内に性欲の証を溢れだした。蜜が愛おしいから…口内に出すのが忍びなかった。 お互いの荒い呼吸の中 蜜が俺の胸にそっと額を付ける。 『次は…遠慮無く…出してください』 羞恥心が絡んだような消え入りそうな声で囁かれた。俺は苦笑しなが蜜の頬に触れ 『じゃ…次は』 と囁いた。蜜の額に口付け 『蜜…凄く良かったよ』 と云うと…蜜の顔が赤くなる。 『可愛い…蜜は本当に可愛い』 『私は…男です…』 恥ずかしそうに目を伏せる蜜。 『知っている。初めから。…初めて蜜を見た時から可愛いくて仕方がないんだ』 蜜が顔を上げて… 『何故ですか』 『何故だと思う?』 『…わからないです』 『それは蜜だから』 蜜の唇を指でなぞり…真剣に見つめたが 蜜はまだ疑問を顔に浮かべている。 俺はそんな蜜に苦笑しながら 『水揚げ…楽しみにしてる』 と静かに囁いた。本当はもういつでも蜜を抱いてしまいたいが…掟は守っておかなければ。男を抱くのは初めてだから、色々知識にいれないと…蜜が苦痛になることは避けたい。優しく蜜の背を抱き寄せ、手拭いで互いの汗を拭いた後…そのまま二人で寄り添いながら眠りについた。 翌日。 俺は名残惜しい気持ちを抑えながら 〃文を書くから…〃 と熱く蜜に囁き 仕事の為に男壇牡丹を後にした。
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