昼想夜夢(仟之助)

36/39
990人が本棚に入れています
本棚に追加
/386ページ
もっと蜜を知りたいし 蜜にも俺を知ってほしい…。相手を知る事で、蜜の心も解き解されるかもしれない。 『私は蜜に聞きたい事が沢山ある』 『聞きたい事ですか』 『ああ、先ずは里はどこだ?』 『磯辺崎です…』 蜜がわからない様子で俺を見つめてきた。 俺は苦笑を漏らし 『…蜜の事なら何でも知っておきたい。他の(やつ)が知る所が無くなる程に…私だけの知り事にしたいのだ。嫌か?』 胸が熱くなりながら云う。好きだから…こんなにも声が上擦ってしまうのか。蜜はようやく意味を理解したのかほんのりと顔を赤らめる。 『嫌ではないです…では私にも教えてくださいますか』 『ああ、勿論だ』 それから俺達はお互いに問い合った。 〃仟之助様のお里はどちらなのですか〃 〃私は今も里も同じ浅露(あさつゆ)だ〃 〃年月は…〃 〃時期に二十二になる。蜜の好きな色は〃 〃私は朱や紫が好きです〃 〃私と同じだ〃 〃そうなのですか〃 しばらくの間…蜜と合い掛けを楽しんだ。相手を知るのは本当に楽しくて。蜜にも俺にも自然に笑顔が出て穏やかな時が流れた。蜜の自然な笑顔が可愛いくて溜まらなくて。 『では次の問い…』 そろそろ我慢が限界に近付く… 俺は背後から蜜の身体を抱き寄せ 『蜜の良い場所(ところ)は…?』 甘く囁き問い掛けた。答えられない蜜の耳朶を甘噛し、そのまま首の線に沿って唇を這わせる。 『…っ…ん、ぁ…仟之助さ、ま』 漏れ始める蜜の吐息に…煽られ 『ん?ここか』 『…っ』 蜜の身体がビクッと跳ね、反応する所に舌先を這わせた。そのまま襟元に手を差し入れ…ゆっくり胸を撫でていく。 『蜜、答えぬか。どこが良い』 『ん…っ』 『ここか?』 『ん…ぁ…ッ』 囁きながら胸の突起の先端をなぞりキュッと摘まんだ。その度に蜜の身体が震える…。 ああもう、可愛いすぎる… 『ぁ…っや、ぁ…』 蜜の吐息も悩ましげに揺れる瞳も、濡れた睫毛も全て可愛いすぎる…。もっと… もっと見たい。乱れる蜜を。全てを俺に魅せて欲しい。蜜の身体を抱き上げ、屏風の裏にある寝具の上に優しく横たえた。上着をバサッと脱ぎながら、ゆっくりと蜜の上に覆い被さる。 『最後の問いだ』 帯を片手で程きながら問う。 『抱いていいか』 もう… 恥ずかしがっても瞳を潤ませても、身体が震えてもきっと待ってやれない。でも…思い切り可愛いがってやる。余す所なく。
/386ページ

最初のコメントを投稿しよう!