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それから程なくして清の客が部屋の戸を開けた。今日の客は軍医の官僚…。軍服に身を包み、清よりは十は年上であろう。男娼は初めての試みらしい。気難しそうな顔つきをしているが…清は屈する事なく
『松永尚瑛様…よくいらっしゃいました。男壇牡丹の清にございます』
尚瑛は清をしばらく見つめて目を反らし
『ああ』
と一言だけ発した。
清は尚瑛から上着を預り衣紋掛けに掛けて、尚瑛の隣に座る。お酒を手に取って
『尚瑛様…今宵は紀州のお酒にございます』
…優しく少量だけお酌する。
一口、口に含んだ尚瑛は
『これは美味いな』
清が微笑み
『それは良かったです、さ…もう一口』
尚瑛のお酒が進み……
無表情だった尚瑛もこの頃には、少しずつ微笑するようになった。…やっぱり清は凄い。清と話す男達は皆清に夢中になり、繰り返し通ってくるようになるのだ。
清を求めて……。
尚瑛の軍での活躍の話に花が咲き、清がほんのりと微笑みながらずっと聞いていた。
そして
尚瑛が清の肩を抱き寄せ……
うなじから首、首筋に味わうかのようにゆっくり口付けていく。
『んっ…しょ、え…い様…っ』
清が頬を赤らめながら尚瑛を見つめ、吐息混じりの喘ぎが口から漏れ始めた。尚瑛が清の着物を左右に開き……胸元に顔を近付けていく。
『あ…っん…ぁ…っ』
清が尚瑛の服をギュッと掴み身を捩った。
尚瑛が乱れた清の帯をほどきながら…清の身体を抱き抱え、隣の敷居に敷いてある布団にゆっくりと寝かせた。
尚瑛が早々と自身の衣服を脱ぎ下着一枚となり、清に覆い被さる。
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