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突然の火の手
「…はっ!そんな事をしてる場合では無かった!」
チーコは今までのゆるっとした表情から一変険しい表情となった。
「それより大変なんです!パステリカ皇国に守らせている描画で作った兵隊が次々と破られて…ウチ達も避難しないと!!」
ところがマイカ姫は至って呑気だった。
「大丈夫だよお父様の作った描画魔法は最強なんだから♪」
しかしその時、城に火の手が上がった。
「キャアァッ!!」
下階から響く悲鳴、チュドーン!!ドドォーンとやがて激しい破裂音が響いてくる。
それには流石にマイカも息が詰まった。
「あんさん達!まだこんな所におったんか!!」
「アレン!!」
筋骨隆々のハンサムな青年、アレンが息を上がらせて走ってきた。
アレンはチーコの婚約者で騎士であった。
因みに描画生命体では無い。
「あんさん達早う逃げえ!帝国の奴らが襲って来よるで!!」
「えぇっ!?」
グレン帝国は訳の分からない恨みをパステリカに抱き、その為パステリカでは魔法で作った壁や砲台で近寄らせまいとしていたがそれがついに破られてしまい、侵入して来たのだ。
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