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全国平和主義選手権なるものが開催されるとするなら、僕は間違いなくベスト8入りするくらいの自信がある。
いや、そもそも争いごとが嫌いで、誰かを欺いたりするのも苦手なのだから、「選手権」なんて名の付く大会に出場すること自体が遠慮したいのだ。
だからバレーボールが好きという共通の概念を除いては、部活の皆には悪いけど、練習試合も大会も全く興味が無い。
むしろ、必死に食らいついたり、勝つことにがむしゃらになるなんて、嫌いな事ナンバーワンだったのに。
体育館脇の渡り廊下、ゼラニウムが咲き誇る花壇前。
予期せぬ出会いは僕の穏やかな日常を、あっという間に奪ったのだ。
そう、すべての発端はあいつに出会ったせいだ。
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