学園初日 「取り巻きーズ」

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学園初日 「取り巻きーズ」

この子達誰だっけ。 理紗を呼び止めたのは同じ制服に身を包んだ黒髪ロングの女の子と、ピンクブロンドの女の子だった。 ふたりともキラキラと目を輝かせてこちらを見つめている。 「あの…どちらさまですか?」 「やあだ、お姉さまったら! アンジェリカですわ。そしてこちらはリンジー。わたくしのことはアンジーとお呼びになってくださってたじゃありませんか」 「あ、そう。そうか…」 この子達、メアリローズの取り巻きだ。 友人から時おり見せられていた画像で、メアリローズの両サイドに陣取っていたのを思い出す。 うーん…と理紗は心のなかでうなった。 攻略対象の王子とヒロインが出会い、理紗と取り巻き二人が出会った。着々とゲームは進行し始めているようだ。 だが人畜無害に生きていくと決意している以上、不穏分子とは関わりたくない。 「アンジー、リンジー、ごきげんよう。では」 さっと身を翻して理紗は早足でその場をあとにした。 ──つもりだった。 「おっと」 「きゃっ」 あわてていてよく見ていなかったため、前を行く人物にぶつかってしまった。 よろめく体をさっと支えられる。 ヒロイン級のとんだドジっ子っぷりに理紗は思わず赤面した。 「すまないね、大丈夫かな?」 「はい、私の前方不注意です。申し訳ありません」 目をあげると琥珀の髪にステンレスフレームの眼鏡をかけた知的な印象の男性がいた。 理紗は目を見開いた。 攻略対象である爵位持ちの教師だった。
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