学園初日 「密室」

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学園初日 「密室」

「ここなら誰にも邪魔されずゆっくりできる」 なにを!? 「さあ横になって」 どこに!? ──いやいやいったん落ち着こう。 ここは学園のなかで自分は公爵家の令嬢だ。 そして今日は学園初日なのだ。 まさかドSのシュバルツといえど、これ以上不埒なマネなどしないだろう…とおそるおそる身を横たえ寝具を喉元まで引き上げた。 おとなしくしたがったフリをして隙を見て抜け出そう。 理紗は室内に目を走らせた。 入り口のドア以外に窓が二ヶ所ある。ここはおそらく一階のはず。 「なにか飲み物を持ってこよう」 そう言って寝室を出ていったのをみてとると、すばやく起き上がりベッドから飛び降りた。 窓に飛び付きそこから脱出しようと窓枠をちからいっぱい掴んだがびくともしない。もうひとつも同じではめ殺しの窓だった。 「窓がどうかしたのかい?」 「………っ!」 理紗は飛び上がり振り向いた。 ドアに肩をもたれかけこちらをおかしそうに見つめるシュバルツがいた。手には液体の入ったグラスを持っている。 「さあ、そんなところに立っていないでこちらで横になりなさい」 「いえ、けっこうです。もう行かないと」 「行くってどこへ?」 「えーとそれは…」 どうしよう。 なんとなくエドアルドに連れられてやってきたけれど、今日の予定が何もわからない。 入学式? 学園だから入園式?  はたまた授業かオリエンテーションか…。 その時ハッとひらめいた。 「エドアルド王子に用がありますの!」
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