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学園二日目 「サロンでお留守番?」
エドアルドの馬車から降りてまず連れていかれたのは例のサロンだった。
「私は少し用がある。それが済むまでここで待っていてほしい」
「用って?」
「会議に出席しなけらばならないんだ」
きけばエドアルドは学園の生徒でありながら、副理事として運営に携わっているという。理事長である現国王(お兄さん)が多忙なため、学園のことはほぼエドアルドの管轄なんだとか。
ふーん…王子さまって大変ね。と理紗はきいていて思ったが、だからといってひとりおとなしく帰りを待つのも退屈だ。
「学園内にはどういった施設があるの?」
「劇場、図書館、遊戯室、カフェテリア、談話室、馬場」
「遊戯室?」
「ビリヤードやダーツが出来るよ」
「じゃあ図書館にいるわ。ここで待つのは退屈だもの」
理紗の言葉にエドアルドが眉をひそめた。
気に入らない様子だが、そんなことは知ったことではない。
「……わかった。昼食は一緒にとろう。用が終わったら図書館に迎えに行くよ」
そう言って図書館まで送るという男に目をぐるりと回してみせた。
子供じゃないのだからひとりで行ける。
学園の見取り図をもらい、理紗はサロンのある教会をあとにした。
図書館に行く前にまず向かったのは、馬場の近くにある厩舎だった。
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