学園二日目 「図書館にて」

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学園二日目 「図書館にて」

見取り図を頼りになんとか図書館へとたどり着くと、理紗は石階段を掛け上がり中へと入った。 汗をかいていたため羽織っていたボレロを脱ぐと、はらりと飼い葉が落ちた。よくよく目を凝らすとワンピースのそこかしこに細かい飼い葉がくっついている。 慌ててそれらを払っていると、聞き覚えのある声が理紗の背中に掛けられた。 「あら、メアリローズお姉さまっ」 「ごきげんようっ」 アンジーとリンジーの二人組だ。 ボレロをバサバサ振りたくる理紗にきょとんとしている。 「あ…、こんにちは」 「王子がお姉さまをお探しでしたわよ」 「えっ?」 うそ、もういるのっ? 「ほらあちらに……あら?」 リンジーの指し示す方向にエドアルドはいた。赤いカチューシャのヒロイン・アリスとなにか話をしているようだ。 「あの子、舞踏会でも王子につきまとってましたわ」 「ええ、お姉さまの次に王子とワルツを踊りましたのよ。しかもドレスでなくこのワンピースで!」 「えっ? 制服で舞踏会に来てたの?」 あの時エドアルドの向こうに見えたのは赤いカチューシャ頭だけだった。あのきらびやかな場でベージュのワンピースは悪目立ちしたに違いない。 「そうなんですの! 非常識にもほどがありますわ。なんでも貴族とは名ばかりの貧乏子爵家の娘らしくて」 「きっとエドアルド王子との婚姻を狙っているのですわ!」 「そうですわ! 王子にはお姉さまというれっきとしたフィアンセがおりますのに!」
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