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「離れないようにね?」
翔くんにそう言われ、それと同時に手が差し出される。
手を……繋ぐってこと?
私は恐る恐る手を伸ばす。
すると翔くんがその手を掴んだ。
体の奥からドクンと跳ね上がるものを感じた。
「早くしないと花火始まっちゃうね」
翔くんが私の手をしっかりと握って引っ張っていってくれる。
周りには人が沢山いるはずなのにまるで翔くんしか見えなくて、他の人がみんなスローモーションにさえ見えた。
いや、本当にスローモーションに――
窓から陽の光が差し込んでくる。
「翔くんって、誰だよ――」
ベッドの上でそう呟いた。
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