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鈴木くん「何が『ふーん』だよ」
速水沙織「鈴木くんも文芸サークルに入ってから、随分と小生意気なことを言うようになったと思ったのよ。我が部に入る前と後では、大違いだわ」
鈴木くん「そんなに僕は変わったか?」
速水沙織「ええ、すごく変わったわ。ひどく変わったわ」
鈴木くん「なんか、今、強調したな。二回言ったよな!」
速水沙織「その上、人のセリフの回数まで数えるなんて、余裕ね・・本当に変わったわ」
速水沙織は眼鏡のブリッジをくいと上げると、異常な速さで鈴木くんについて語り始めた。
速水沙織「鈴木くんは、この部に入るまでは、クラスの中で、浮くどころか、その存在すら、みんなに認められないほどに、見えないほどに影が薄かったわ。それは、ご自分でも承知しているでしょう? 更に、鈴木くんは、いざ女子と話すとなると、顔を真っ赤にしてまともに話すことさえできなかったわね」
鈴木くん「そ、そうだったか・・」
速水沙織「ええ、そうよ。以前は、口にする言葉も今みたい『そうだ』とか『うん』とか『そんなわけが!』とか、全て10文字もなかったわ」
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