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「お前、まだ俺のこと好きなの?」
ニヤッと笑って私の顔を覗き込む......元カレ。
やっぱり友達に戻ろう、と言われたのは1ヶ月前。
友達に戻ろう......なんて本当に都合の良い言葉。
一度好きになったなら、元の関係になんて戻れるわけがない。
もう好きじゃないふりをしているだけなのに。
「は?好きなわけないじゃん。自惚れすぎだし」
目線を合わせるのが恥ずかしくて、そして図星の心を読まれたくなくて、目線を逸らす。
こうして2人で学校から帰れるのなら、友達に戻るという選択肢も間違ってはいないのかな、なんて思ってしまう自分が悔しい。
「じゃあこの手はなんなのかな〜?」
私から繋いだ手を見ながら、からかうように再びニヤッと笑う。
「もう大っ嫌いだから、わざと嫌がることしようと思って」
ふーん?と言いながらも、全てお見通しのような顔をしてこっちを覗き込んでくる。
そういうところ、ズルイよ。
素直になれない私のこと、何でもわかってる。
”あなたの事が大嫌いです” ってわざわざ相手に言うことの本当の意味って知ってる?
..... .”あなたの事が、すごくすごく好きです”
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