夕暮れ時の雑踏にとけて

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「いやぁー、こんな所で茉衣と出会うと思わなかったよ」 「私も。っていうかよく私だって気づいたね」 「ふふっ。だってあんまり茉衣変わってないもん」 「えぇ、それどういう意味よ」 軽口叩きながら駅から踵を返す。 二人で駅から近くの公園へと向かいベンチに座る。 「亜唯綺麗になったよね」 「そんな。中学生の頃はメイクも出来なかったしね。買うお金も小遣いも全然無いし。」 「分かる。何か垢抜けたというか」 「都会に埋もれて日々暮らしてますもの」 亜唯がおどけたように言って、二人で笑い合う。 「茉衣は今こっちで何してるの?」 「……ああ、普通に会社勤めしているよ」 「OLかぁ」 「そんなに大それたものじゃないよ」 「良いね、茉衣パソコン打つの速そう」だとか言う亜唯に「遅いよ」と呟く。 「……亜唯は今何しているの?」 流れからして聞くべきだと思って亜唯に尋ねた。
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