お菓子の使い

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「ちょっ・・と!やめてよ! また、僕の頭をなでて!! 高身長自慢ですか!! イッちゃんもバスケ部、入れば良いのに 僕と違って185cmがもったいないよ」 カナデの167センチは平均身長ぐらいなのだろう ただ、180越えの俺からしたら小さめの男の子だった 首を頑張って上に向けて話しかける姿は、愛嬌があった カナデは、知らない 僕の足が負傷している事を 日常生活に支障はなく普通に見えるが激しい運動に耐えられない 体育は力を抜いて騙し騙しやっていた 小学校までは、バスケをやっていた 地区のリトルバスケチームに入っていた カナデも同時期にチームに入った 俺は、同学年より身長が高かったので重宝された そのかいあってバスケが大好きになり 強くなりたい一心で練習に打ち込んだ 成長期の身体には、負担が大きかったのだろう 一つの怪我で選手生命がたたれた 何も言わずにバスケをやめたせいでカナデには心配かけた 「イッちゃんがやらないなら僕もやめる!」 と言ってきたのでやめる宣言を撤回させた 彼も彼なりに頑張ってきてやっと芽が出てきて 楽しいと言い始めた矢先にやめてほしくなかったし 自分の分までバスケを楽しんでほしかった それでも僕がいない事が気に食わなかったらしく カナデがバスケを続ける変わりにある約束を取り付けてきた 『バスケ後にイッちゃんお手製のお菓子を差し入れるすこと』 コートに行けばまたバスケをやり出すだろうと カナデなりの作戦だった 僕がバスケを再会する事は、なかったがこの約束だけは未だに続けている 「今日は、マドレーヌだよ」
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