天使と悪魔のトラックメーカー

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天使と悪魔のトラックメーカー

「あれ、朝早いのね 今日から夏休みじゃなかったの?」 朝の日差しを浴びながら裸で横たわるベッドの中から女が はかない声でカナデに問いかける 「夏休みでも部活は、あんの 俺、知っての通りバスケ部のエースだから」 何が嬉しくて高身長の男子の中を走り回らないといけないのか むさ苦しい汗の臭いとデオドラントのミントフレーバーの 混ざり合った臭いの中を走り回るむさくるしい競技 カナデは、バスケ部にしては低い167センチ 当たり前のように周りの部員は、高身長 名門バスケ部なだけあり地方から寄せ集めたエリートが集まる 180越えの巨人に囲まれバスケには、向かない低身長は 入学当時、何かの間違えじゃないかと反感をかった 中学のバスケ部は、県の予選までは進めたが全国には手の届かない レベルだった 物好きがいたもので県予選の試合を見に来ていたコーチにスカウトされて 今の高校に推薦をもらっえた ラッキーだったのがバスケの名門校は地元の高校だったという事だ 地方の高校で寮生活と言われたら確実に推薦を蹴っていただろう それほどまでに俺には、曲げられない理由があった 午前の練習が終わると同時に俺の楽しみがやってくる 一目散に出口に走り 出口で僕を待つ巨人に飛びつく
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