0人が本棚に入れています
本棚に追加
天使と悪魔のトラックメーカー
「あれ、朝早いのね
今日から夏休みじゃなかったの?」
朝の日差しを浴びながら裸で横たわるベッドの中から女が
はかない声でカナデに問いかける
「夏休みでも部活は、あんの
俺、知っての通りバスケ部のエースだから」
何が嬉しくて高身長の男子の中を走り回らないといけないのか
むさ苦しい汗の臭いとデオドラントのミントフレーバーの
混ざり合った臭いの中を走り回るむさくるしい競技
カナデは、バスケ部にしては低い167センチ
当たり前のように周りの部員は、高身長
名門バスケ部なだけあり地方から寄せ集めたエリートが集まる
180越えの巨人に囲まれバスケには、向かない低身長は
入学当時、何かの間違えじゃないかと反感をかった
中学のバスケ部は、県の予選までは進めたが全国には手の届かない
レベルだった
物好きがいたもので県予選の試合を見に来ていたコーチにスカウトされて
今の高校に推薦をもらっえた
ラッキーだったのがバスケの名門校は地元の高校だったという事だ
地方の高校で寮生活と言われたら確実に推薦を蹴っていただろう
それほどまでに俺には、曲げられない理由があった
午前の練習が終わると同時に俺の楽しみがやってくる
一目散に出口に走り
出口で僕を待つ巨人に飛びつく
最初のコメントを投稿しよう!