0人が本棚に入れています
本棚に追加
思春期の恋愛定義
カナデは、モテた
中学からその片鱗は、見えていた
大きく翼を広げはじめたのは高校に入ってからだった
中学時代から地元のバスケ界隈では有名選手だったのもあり
高校では、その人気が爆発
少し大人になった女子高生達は、行動範囲を広げ
その好奇心で試合に足しげく通う様になった
けれど、予想以上に女生徒の人数は少なかった
彼の周りに女性がはびこらないのは
名門バスケ部の部活の厳しさからなのだと思う
ピリピリとした雰囲気は、同じ学校の生徒さえも近づけなかった
実際は、そこまで厳しい訳でもない
顧問も部活中、うるさくなければ何も言わない
見学も別に拒否している訳でもない
どっちかというと選手側が恋愛厳禁、見学の歓声も邪魔だと言い放つ程
殺気立っていたせいだった
カナデ自身は、殺気立つほどではないが周りは、そうではなかったのだ
最初は、僕も差し入れするのを拒む時期もあった
どうしてもと頑として譲らない姿勢に根負けして差し入れに
行く様になった
根気よく行く様になり
実情を知ればそんなものかと
今では、何食わぬ顔で部活後に顔を出す様になった
僕が行く様になって女生徒が一時期増えたが
今では、僕だけが訪問するようになっていた
最初のコメントを投稿しよう!