思春期の恋愛定義

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思春期の恋愛定義

カナデは、モテた 中学からその片鱗は、見えていた 大きく翼を広げはじめたのは高校に入ってからだった 中学時代から地元のバスケ界隈では有名選手だったのもあり 高校では、その人気が爆発 少し大人になった女子高生達は、行動範囲を広げ その好奇心で試合に足しげく通う様になった けれど、予想以上に女生徒の人数は少なかった 彼の周りに女性がはびこらないのは 名門バスケ部の部活の厳しさからなのだと思う ピリピリとした雰囲気は、同じ学校の生徒さえも近づけなかった 実際は、そこまで厳しい訳でもない 顧問も部活中、うるさくなければ何も言わない 見学も別に拒否している訳でもない どっちかというと選手側が恋愛厳禁、見学の歓声も邪魔だと言い放つ程 殺気立っていたせいだった カナデ自身は、殺気立つほどではないが周りは、そうではなかったのだ 最初は、僕も差し入れするのを拒む時期もあった どうしてもと頑として譲らない姿勢に根負けして差し入れに 行く様になった 根気よく行く様になり 実情を知ればそんなものかと 今では、何食わぬ顔で部活後に顔を出す様になった 僕が行く様になって女生徒が一時期増えたが 今では、僕だけが訪問するようになっていた
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