思春期の恋愛定義

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あの出会い以来、彼女は、僕によく声をかけてきた 放課後の図書館で日課にしていた新しいレシピ探しを 二人でしたり 連絡先を交換して「こんなのあったよ!」と 美味しそうなお菓子の画像やレシピの交換をした 僕は、彼女と話すのが楽しかったが 「イツキ君は、カナデ君の執事なんだから 私が間に入る隙なんてないから移動教室や図書館で話そ」 と気をつかってくれてカナデがいないタイミングで会う様にしていた 二人の熱は、ドンドンエスカレートして休日にどちらかの家で お菓子造りをするようになった 今までカナデ中心の生活をしていたので世の中の高校生と 同じ休日を過ごしているのかと思うと少しうれしくなった 「イッちゃん最近、お菓子こりはじめたね どーしたの?」 「あーお菓子好きの友達ができてさ その子とお菓子の新作レシピとか考えててね それが楽しくて楽しくて」 「僕以外の友達と親しくしてるの珍しいね・・・・」 「俺にまともに友達って言えるのカナデぐらいだったしね 高身長で強面だから怖がられてるんだと思う 本当は、俺って言うのもなれないんだよな カナデが俺って言った方が良いっていうから変えたけど 余計に友達減った気がする」 「そんな事ないよ!イッちゃんかっこいいから俺の方が似合うよ 僕って顔つきじゃないしね 新しく友達できたならよかったじゃん じゃー今度から僕たちは、友達じゃなくて親友だね イッちゃんとは、特別な関係でいたいんだ」 親友という響きとカナデの愛らしさに言葉をうしなってしまった なぜだろう 『カナデが言う事は、正しい』と 認識してしまう 『僕』から『俺』に変える事も正しいことだと思って受け入れてしまう 不思議な居心地の良さと説得力は、抗えなかった
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