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エピローグ
うつむく僕に誰かが声を掛けて来る
「どこか痛いの?
それとも寂しい事があったの?」
答えない僕に投げかける
「泣かないで・・・あっ・・・そうだ
これ、あげるね
今日ね
幼稚園でお母さんと作ったんだ
よかったら、君、食べてみて」
顔をあげると不器用ながらにラッピングされた焼き菓子が
目の前をチラついていた
「食べて・・・いいの?」
心配そうに問いかける僕に彼は、満面の笑みで答えた
「お父さんへのお土産だったけどいいよ
お父さんより泣いてる君の方が心配だから」
ラッピングの隙間から溢れ出る甘い香りに
心を魅了されていた僕は、了解を得たのを確認すると
すぐに袋をあけ焼き菓子を頬張った
子供ながらに表現できないその味を「大好きだ」と衝動的に言っていた
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