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小刻みな息も整い、なんとか足腰に力が入り始めて、僕は思いっきり鶴城さんを突き飛ばした。 僕なりの思いっきりであって、彼はびくともしていない。 体格差と力の差は比例するのだろう、仕方ない。認めよう!負けを!! 「だから、何度も言ってる通り、僕にはあんたの嫁さんだのなんだのになる  意思はないわけで、あんたはただの変態というわけですよ。」 どぅーゆーあんだーすたんど?僕は心の中で聞いたのだ。なんだか声に出して話をすることが困難になってきた気がするから。 こんなに拒否の姿勢を見せても、この腕の中から僕を解放しようとは微塵も思っていないようだし。 「わたしは変態ではないよ、愛斗君が好きなだけで、愛斗君が愛おしいだけ、  ただそれだけの事で変態なわけがない。そんなことになったら、この国では  恋愛ということ自体出来なくなってしまうよ?」 誰もそんな大それたことをテーマにはなしをしているんじゃない、今、現に、 お前が僕に変態行為を無理やりやったことが問題で、僕に無理やり妻になれだのなんだのと言っていることが問題なんだっての! 今日はこれ以上話しても無駄だと思う、僕自身が完全に疲れているし、力が出ない。どこぞのパン工場にお願いして助けてもらいたいぐらいだ。 「――も、いいです。とにかくここから、この部屋からでいい。出て行って。  僕に落ち着く時間をください。明日も学校なんですよ、もう、ほんとに。」 僕の言葉と本気で疲れた顔を見た鶴城さんはしぶしぶ部屋を後にした。 だから、どうしてあんたがそんなに悲しげな雰囲気でここを去っていくのか僕には理解できない。 そのがっくり肩を落とした雰囲気を出していいのは、むしろ僕の方ではないか? お互いの唾液で濡れた唇を、ティッシュでこれでもか!というくらいに拭うと布団にもぐりこんだ。 勿論、施錠はばっちっりしてある。眠って起きたら全て夢でしたとなるようにと願いながら、僕は目を閉じ、眠りの中に入っていった。
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