ぁんっ!

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「でもそれがマー君のいいところなんじゃない?優しいのよ、底なしにね。」 綾子さんの笑顔は時々鶴城さんの様に甘くて優しい。僕の事をきちんと見て理解してくれている。 「でも、眠っておかなきゃっておっしゃってましたよね?」 僕はこの言葉を聞いて、てっきりお手伝いができるもんだと思っていたのだ。 「あぁ、仮眠の時にどうしてか皆自分のパートナーの所に戻るのよ。仮眠室が  すぐそばにあるって言うのに・・・。そしたら私達が代わりに起きてて時間  になったら起こしてあげなきゃダメでしょ?不思議なんだけど、ほんと、  みーんな戻って行くのよ?」 僕が彼の為に出来る事、みーつけた・・・・。 へとへとになって疲れて戻ってくる彼を僕だけが癒してあげられる、そんな嬉しい事はない。何時に交代になるのかはその時にならないと分からないというだから、今のうちに軽くでも眠っておいた方がいいというのだ。 睡眠時は誰しもが無防備になる、そんな瞬間を僕が見守ってあげられるのだ。 傍らで休息をしている愛おしい人の、その時間を守らせてもらえる・・・。 「兄さまもいつも戻ってきますよ、ほんと迷惑です!早く誰かを見つけて結婚  してくれないかなって思いますよ、私はサークル活動で忙しいと言うのに。  シャワー浴びてベトベトの髪のままで布団に潜ろうとするから、毎回私が  乾かしてるんです。綾子さま、兄さまに誰か紹介してください!」 上野さんですらそこまでへとへとになるんだ・・・。大祭って神職の方々はずっと境内に出ているし、人の数の多さと言ったらとんでもない。 所狭しと並ぶお店も、そこから漂ってくるいい香りも、沢山の人を惹きつけるなんせ、顔だちのいい神職も揃っているとなれば女性の参拝者の数も必然的に多くなってしまう。女性が多ければ、男性も寄ってくる。人が沢山集まれば何かしらのトラブルは起きてしまう。そういった事に気を配り、迅速な対応を数日続けなければならいのだ、限界まで体力を削がれても仕方のないことだ。 「んー・・・。清親って、好みのタイプがコアじゃない?こだわりさえ  なければいくらでも紹介できるんだけど。まず、小さくなきゃ嫌でしょ?  ふとした時に心臓がギュッてなるくらい儚くなきゃ駄目でしょ?あとー  自分がお世話しなきゃ気が済まないでしょ?」 「そうなんですよ、あとはなんでも自分のいう事を聞く奴は嫌だとか言って  ましたね。全力で噛みついてくるぐらいの気の強さが不可欠だって。」 「バカなんじゃないの?清親ってどっかで何かかが壊れたのね?」 「バカなんですよ、本人は認めませんがドSなんですよ。物理的攻撃は嫌いな  言葉攻め大好きタイプなんですよね。」 えぇ・・・・上野さんって面倒くさくてしかも変態じゃん。好みのタイプってそれってもうドMしか無理じゃん。しかも言葉攻め大好き受けタイプ。 そんな人いる?いや、いないよね、上野さんの言葉って鋭いナイフだしな。 あれに耐えうるだけの強靭な精神力持ってる人って、僕の知る限る1人しかしない・・・。そう、鶴城さん。彼だけだと思う。 え、なに?じゃ、上野さんのタイプって鶴城さんなの?いや、鶴城さんでっかいし!小さくないし!ふとした時に儚いってどんな状況なんだ?僕にはわからなーーーいっ!! 「はぁ、もう考えるのやめよう。清親の事は諦めて寝ましょ、マー君は真ん中  私達で挟んで寝る事にしたから、こっちにおいでー。」 僕が1人上野さんの事を必死に考えていたが、2人はもう潔く諦めたらしい。 夜の為に軽く睡眠をとる事にしたらしく、いつの間にか準備されていた布団にしっかりと寝っ転がっていた。僕のはいるスペースをしっかりと開けて・・・
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