Yes,your Majesty

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桃色の紅が乗せられた少女の唇が、吊り上がる。 「ひんっ……んんっ……。」 彼女は躊躇う素振りを一瞬たりとも見せないまま、細い青年の首を絞めつけた。 「あはははははっ、嗚呼、本当に綺麗。私、貴方の事が愛しくて堪らない。」 嗤い声が一室に轟き、少女は首を捕らえた手に更に力を込めた。 何かが満たされていると謂わんばかりに、青年は目を蕩けさせて口許をだらしなく緩めている。 「美味しい。変態で低俗な貴方の快楽に溺れた涙が、私は大好物なの。」 「……舐めて…もっと……もっと俺を…愛して。」 熱の溜まった舌で、青年の唾液ごと流れる涙を愛撫した少女は、そのまま美しい骨格をしている相手の輪郭を舌先でなぞった。 手錠で拘束されている事を忘れているのか、少女へと幾度となく手を伸ばしているせいで青年の手首は擦り切れ、鮮血が垂れている。 「最低な人よね、奥様がいる癖に、こうして私を求めるなんて愚劣の極みね。」 「俺は……俺が愛してるのは、君だけだよ。」 青年の一言に、当然だと少女は自信を滾らせた冷笑を湛えた。
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