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Yes,your Majesty
静寂な部屋。
蝋燭の灯りだけが、唯一視界の手助けをしている。
「んっ……あっ…あっ………。」
沈黙をただ切り裂くのは、情欲に溺れている青年の声のみだ。
歳は二十三、四くらいだろうか。
黒い布で視界を遮られているにも関わらず、青年の顔が酷く端麗である事は誰が見ても明らかである。
薄い唇を開き、雌のような声をしきりに上げる青年の口の端から零れる一筋の唾液。
青年の白く透き通っている肌に刻まれた無数の傷と痕。
身包み全てを剥がされている青年の股からは、トロトロの液が快楽に限界を覚えたかのように勃ち上がっている物から溢れている。
「ひっ…ぁあああああっ。」
不意に、空間に響き渡った青年の甘ったるい喘ぎ声。
それと同時に彼は絶頂に達したらしく、白濁の液を放出した。
「あっ…ああっ……。」
まだ快感の余韻があるのか、小刻みに震え痙攣を起こしている青年の姿は実に官能的だった。
「あれ、誰がイって良いって言ったっけ?」
それから暗闇を引き裂いたのは、美しくも冷たい声だった。
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