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白い華と湖と月
真っ暗な山道を
月明かりだけを頼りに歩いてる
周りの草花は月明かりを浴びて
雫が光っている
歩を進め草花を掠めていくと
雫は宙を舞い
キラキラと光輝き
私を迷わずに目的地まで誘ってくれる
湖
私の目的地
月暦と太陽暦が重なる今日の満月
その湖のほとりに咲く
「白い華」
を求めて来た
辿り着いた湖
湖には月がそこにあるかのように
湖いっぱいに広がり映っている
湖を囲むように
「白い華」
が沢山咲き誇っていた
雫は宝石のように輝き
月明かりと雫の輝きで闇にいることを忘れる
湖の中央に咲いている
「一輪の白い華」
私は服を脱ぎ
湖に入り
月の光と雫を沢山含んでいる華を摘み
雫を飲んだ
「さぁ、白い華。私の命を持って行ってあの人の一生の命を守って。幸せを守って。私はここであなたと月と共に朽ちて行ければいいから。それが私の(願い)」
今日咲く「白い華」はどんな願いも叶う「華」
欠けていく月
摘んだ白い華
私の命も白くなり
やがて透明になり
消えていく
幸せな最後の日
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