蒼い樹が薫る(番外編)

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蒼い樹が薫る(番外編)

季節は秋から冬になろうとしていた。 その日も俺は朝から営業のために車を走らせていた。 我が社にたった一台だけある営業車という名前の車。小回りが利くということで軽自動車にしたのだがこの車の購入にあたって蒼さんとは随分やり合った記憶が蘇る。 (あのボンボンはなんでも大きいものが好きだからなぁ) 事実私物である蒼さんの車は大きなハイブリッドカーだった。 女子高生みたいな(なり)をしている蒼さんは小柄だからなのか、やたらと大きなものに心酔するところがある。 自分の持ち物に関してもそれは顕著に表れていて、特に車に関してはやたら大きなものを推奨していた。 『どうせ俺しか乗らない車だから小さくていいんです!』という俺の意見を最後まで渋い顔をして訊いていたなぁと思い出し少し笑えてしまった。 蒼さんとの出会いもある意味衝撃的なものだった。
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