冷たいあなた

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冷たいあなた

ねえ、あなたはひどいわ。 とっても冷たい人。 わたしに結局、見向きもしてくれなかった。 わたしたちが出会ったのは、大学のサークルよね。 あの頃は本当に幸せだったわ。 毎日が薔薇色だった。 わたしが三年生の頃、あなたは卒業したわよね。 でも、わたしは不安じゃなかった。 わたしとあなたは赤い糸で結ばれているんだから。 一年経ってわたしも大学を卒業したのよね。 たまたまあなたと同じ会社に就職したわ。 やっぱり赤い糸で結ばれているんだもの。 なのに、あなたは他の女の子と仲良くし始めたわ。 あの子が会社を辞めたのはあなたの所為なのよ。 わたしがあなたの為にあの子を脅したからなのよ。 それでも、あなたはまた浮気したわね。 わたしに隠れて付き合っていたのね。 会社であなたとその子が結婚するって聞いたわ。 とても驚いたわ。 わたし、あなたのことはすべて知っていたのに。 だからわたしは驚いてあなたの家に来たわ。 あなたの家の鍵は持っていたから。 あなたがドアを開けてくれなくても入ったのに。 あなたはわたしのことを罵ったわ。 だから思わず、だったの。 あなたとはもう話せないけど、ずっと一緒よ。 わたしはあなたのことが大好きだから。 じゃあ、わたしはそろそろ行くわね。 次は、あなたが結婚する子に会いにいくわ。 また会いましょう。 やっぱりあなたは返事をしてくれないのね。 あなたは冷たいわ。 本当に冷たい人ね。
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