03.Father return , secret

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ドアが開く。カズキだ。 「やめろよ! 嫌がってんだろ?」 「何? 何だお前は、急に?」 突然の事態に、狼狽(うろた)える父親と母親を尻目に、カズキは僕を連れ出した。 コンビニで缶ジュースを買って、公園の遊具に隠れるようにして飲んだ。 きっと、カズキの説教が始まる。 呼び出したのは、僕なんだけど。 「大丈夫だったか?」 「うん。でも、これからどうしよう……家に帰れない」 「あんなとこ、家じゃないだろう。 もう選ぶ時期だぞ。お袋さんか、自分か」 「分かってる。きっとママはあいつから離れない。だから……」 「だから、何だよ? はっきり言えよ」 「……だから、僕は家を出る」 「どこか、あてでもあるのか? 言っておくけど、俺んとこは無理だからな」 「分かってるよ。よく、分かってる」 「だけど、こうして、マオの傍に居てやることは出来る」 カズキは僕の頭を優しく撫でた。 彼は、僕が望んだことを、口に出さなくても分かってくれるんだ。 だから、僕はカズキ依存症になってしまう。 このことは、良くないことだと、僕もカズキも分かっている。 secretーー カズキには内緒にしてるけど、実は一度彼氏ができたことがある。
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