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「いや、俺も悪かったと思ってる。いきなり出て行けって言われたら怒るよな。ていうか、約束忘れててごめん」
「思い出したのか?」
「うん。昨日夢で見たよ。プテロかわいかった」
「育ってしまって残念だった?」
「え? そんなことはないけど」
「じゃあ、俺はここにいていいのか?」
俺はためらいながらうなずく。
「でも、ああいうことはなしで」
「ああいうことって?」
「だから、昨日みたいな」
「抱くのはダメってことか?」
ズバリと言われて赤面する。
「どうして?」
「生気があればいいんだろ?」
「まあそうだが」
プテロは納得いかないという表情で首を傾げた。
「あんなに気持ちよかったのに?」
俺は黙り込む。
快感の問題じゃない、アイデンティティの問題だ。
でもプテロには理解できないらしい。
妖怪だもんな、感覚が違うのだろう。
「まあいい。俺がその気にさせたらいいんだろ?」
「ならないよ」
「そうか?」
「そう!」
「では気長に口説くとしよう」
涼しい顔でプテロは笑う。
俺とプテロの同居が決まった瞬間だった。
完
この話をベースに13万字に改稿してKindleで電子書籍化しました。
素敵な表紙を松本コウ様に描いて頂きました!(^^)!
読み放題設定しています。
どうぞ遊びに来てくださいねm(__)m
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