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お昼の癒し
僅かにずれた遮光カーテンの隙間から明るい日差しが入り込む。
「んんっ、ん」
光を感じたのか翔は高級そうなキングサイズのベッドの上で薄ら瞼を開く。モノトーンで揃えられたモダンな部屋はかなりの広さで、家具を見るところここは寝室である。真っ白な壁に埋め込まれた時計は12本の黒い棒が等間隔に円を描くように配置され、中心から伸びたシルバーの針が右を指し示している。翔は時計を一目し起き上がろうとすると傍らに裸の女性がぴったりと体を寄せて寝息をたてている事に気づく。栗色の柔らかそうな巻き髪、麗子であった。
「麗子さん、起きて。夕方までに帰って夕飯の支度しないと旦那さん怒るんでしょ?」
優しく撫でると麗子は目を覚ますなり眉間に皺を寄せた。
「頭痛い〜飲みすぎたわ!」
それを見て翔は悪戯に笑いかける。
「だったら尚更早く帰らないとね」
「まぁ!意地悪ですこと」
子供のように頬を膨らませた麗子はベッドから出ると床に捨てられたクランチバッグを開け中から白い封筒を取り出しエンドテーブルに置くと、綺麗にハンガーに通された昨夜厳選した勝負服をウォールコートハンガーから外して身につける。
「昨夜は最高だったわ、ありがとう」
そう囁くとほう骨辺りにキスを残して去っていった。
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