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手土産持って
靴に夏の羽 心のままにはためく
踊るように角を曲がる 伸びる坂
まるでくだるように
てんてんてんと軽く上がってゆくの
坂の向こう 君の家が見えてくる
夏の終業式の日
たった一度だけ 教えてくれた住所
たった一度だけ言うからねって
笑いながら
駅からお日さまを左に見て
繁った紫陽花の角を曲がったら
あとはゆるい坂を上って
青い屋根を目指すだけ
朝だけの住所を教えてくれた
そんな君だから 大好きなの
片手に提げた白い箱は
君の大好きなプリンでいっぱい
夏のお日さまはてっぺんが好きだから
お店が開くまでなんて
待ってくれないの
その代わりに朝が来るのも早いの
たまごプリンに さつまプリン
ブルーベリープリン
Fu-fu fu fu フ・フ・プ・リンリン!
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