もしも君と話せたら

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 僕も、ナナも、だんだんと大きくなって、いろいろ変わっていく。  僕は食べるものが変わった。  ナナは、いろいろ変わった。いちばん変わったのは、ナナがスマートフォンってやつを持つようになったこと。  このスマートフォンが曲者なんだよ。スマートフォンを持ってから、ナナは僕と遊んでくれなくなった。一緒に出かけてもくれなくなった。  頭にきたからさ。スマートフォンを奪って、駆け出してやった。  めちゃくちゃ怒られたよ。そんなに怒るか?ってくらい怒られたよ。  そーですか。いいですよ。そんなにスマートフォンが大事なら、僕はひとりでボールで遊ぶもんね。ひとりサッカーするもんね。  まあでも、いいけどね。だって、ナナは笑ってるし。  ナナが笑ってるならそれで大丈夫! 僕は平気さ。…ちょっと寂しいけど。
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