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「何故です? 何故イケないんですか!」
青年になったアレックスが老人に詰め寄る。
「お前の母、グースは平和な暮らしを望んでいた。その剣もお前を戦わせたくて残したのでは無い」
「分かっています。俺を守る為と言うんでしょう。でも城下町では沢山の人達が苦しんでいます」
「それは国王が指示し、彼の兵達が実行する。それが彼等の役目だ」
「しかし、相手はドラゴンなのでしょう? 彼等は持ってるんですか? 母が遺してくれた剣の様な武器は?」
「アレックス、私は……ゴホッゴホッ」
老人は激しく咳き込む。
「私はもうそれ程長くは無い。お前が兵士になったら私は心配で寿命が縮まる。老ぼれの頼みだと思って聞いてくれ」
「じいちゃん……俺は……分かったよ」
アレックスは肩を落として部屋を出て行く。
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