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「ド、ドラゴンが入って来たぞ!」
兵士の一人が階段を駆け下りながら叫んだ。
アレックスはそれを聞いて走り出す。
魔法の剣ならドラゴンを倒せるかもしれない。
しかし、空飛ぶドラゴン相手では成すすべもない。それがワザワザ向こうからやって来ているのだ。
このチャンスを逃せば次は無いかもしれない。
母もきっとこんな時の為に剣を遺したんだ。そんな思いがアレックスを突き動かした。
女性の叫び声とドラゴンの咆哮が聞こえる。
アレックスがその部屋の扉を開くと、ドラゴンが女性を壁に投げ付けられていた。
その身なりから、もしかするとこの城の王妃様かも知れないとアレックスは思った。
痛みに悶えながらも、這って逃げようとしている王妃にドラゴンが迫る。
アレックスは王妃とドラゴンの間に割り込む。
ドラゴンの眼が魔法の剣を捉えて後退る。
ドラゴンが魔法の剣に気付き、逃げるつもりだとアレックスは思い、一気に間合いを詰める。
ドラゴンが逃げようとしても無駄だった。
アレックスはドラゴンの背に、魔法の剣を突き立てる。
ドラゴンは断末魔を上げながら城の外へと落ちて行った。
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