1 好きになった人はオオカミでした。

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勘当された時点で、家のこととは関わらないつもりで生きて来ただけど。 「……けど、つまりはフリーなわけだから、しがらみ関係なしに奪いにいける」 堂々と、俺はちーちゃんに手を差し出せる。 繋いだ手は、離したくなかった。 「ん?」 ポケットに突っ込んであったスマホは着信を告げた。 その画面を見て、顔が緩んでしまう。 「うん、俺も逢いたい」 思わず打ち込むべき返事を、声に出してしまっていた。 ……しょうがないだろう、本音なんだから。 俺も、また逢いたいんだ。
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