2 オオカミだと思ったら犬系彼氏でした。

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2 オオカミだと思ったら犬系彼氏でした。

――学祭の日に助けてもらった大神正冬さんと、今日はお逢いする日です。 待ち合わせにした公園で、先についた私は何度も手鏡を見直していた。 お、お姉に見てもらったし、格好は大丈夫だよね? お姉の言葉のオブラートのなさは有名なくらいだし。 お兄には言ってないけど、あれ絶対わかってる。 ……紅亜おばあちゃんと賭けてないといいけど。 はやる心臓の辺りに手を置いて深呼吸する。 「はー……落ち着けー」 「千紅様。そうお気持ちを煩わされるならば帰りましょう。あのような者のために千紅様のお時間を割くなど――」 ……隣から小言を言ってくるのは、私より遙かに背の高く、陶器のような印象を与える面差しの――心名(しんな)、私の式だ。 今は普通の人にも見える姿を取っていて、お兄から借りたらしい洋服姿だ。 いつもは着物姿。 「……心名、私、ついてこないでって言ったよね?」
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